転機
「鯉淵大輔でございます。鯉淵大輔、政治を変えて参ります。鯉淵大輔、鯉淵大輔、鯉淵大輔に清き1票をお願い致します!ご声援、ありがとうございます!」
ウグイス嬢の声が響く。鯉淵大輔は、自分の名前を連呼されて、なんだかくすぐったい気分になりながら、沿道の人々に手を振る。
まさか、自分がこんなことをする日が来るとは。全然現実感がなく、夢を見ているようだ。
鯉淵大輔は普通に中堅大学を卒業し、普通に中堅企業に入社した。そこで5年間営業マンをしていたが、激務で体調を壊して退職。